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コロナに感染して

10月8日、朝から倦怠感はあったのですが、午後になり発熱もあり、発熱外来に行ったところ、抗原検査でコロナと診断されました。10月15日までの一週間、療養に専念することになりました。その間、飼い主さんへの休診のお知らせ、他の動物病院への連絡など妻とスタッフががんばってくれました。また、妻は、元気になるようにと一日三食、毎回おいしい食事を差し入れてくれました。飼い主さん、スタッフ、他の動物病院など多くの方にご迷惑をおかけした一週間でありました。療養しながら、この機会に、普段飼い主さんへ伝えたいけど、なかなか伝えきれていないことをまとめてみました。猫を飼う上で何かの役に立てばうれしいです。


食事

猫を飼い始めて、先ず悩むのは、何を食べさせたらよいの?では、ないでしょうか。ホームセンターのキャットフードのコーナーへ行ってみれば、いろんなフードがあり、パッケージには、栄養のバランスとか泌尿器の疾病に配慮とかグレインフリーとか、それぞれ良いことばかり書いてあり、余計に迷ってしまいます。

もともと猫は水を飲む動物ではありません。砂漠地方に住むリビアヤマネコが祖先と言われています。ネズミなどの小動物を食べていました。ネズミは栄養学的に70%以上が水分なので、無理に砂漠の地で水を探さなくても、なんとかその水分でもやっていける身体のつくりになっているのです。猫の尿は濃くて臭いのも、少量の水分で老廃物を排出している結果なのです。そのため猫の腎臓は尿を濃くて水分を無駄にしないようにすごく頑張っているのです。

ウェットフードには70%以上の水分が入っていますがドライフードはほとんど水分を含みません。水を飲まない猫にドライフードを食べているのだから水を飲みなさいと言っところで、先祖からの習慣は変わりません。

「ウチの猫は、ドライフード食べてるけど水いっぱい飲むから大丈夫!」という飼い主さんもいますが、1日に必要な水分は200cc前後と言われています。測ってみるとそこまでは飲めてないことが多いです。

ウエットフードは必要量に近い水分を含んでいますのでウエットフードを食べることで水分の補給もできるわけですが、ドライフードは食べると体内の水分を吸い取ります。ドライフードを食べ後、嘔吐するとこんなにたくさん食べたのかと思うほど、大量に吐くことがあります。ウエットフードが胃の中で水分を吸収するのです。

猫の食事を選ぶ時、ドライフードでなくウエットフードを選ぶということが一番大切です。

では、ウエットフードの中ではどれを選ぶかですが、信頼できるメーカーを選ぶか、パッケージの原材料を見て決めるかです。信頼できるメーカーというと、当院ではロイヤルカナンのベッツプランのフードを勧めることが多いです。原材料を見て決める場合は、添加物の少なく、穀物はあまり入ってなくて、〇〇エキスとか、あやしいものがあまり入っていないものを選びます、犬飼家では黒缶を好んで使っています。とはいえ、最終的には猫の好みです、ウチのはるちゃんは何をあげてもあまり食べてくれないので、添加物や化学調味料がたくさん入っていると思われるフードをいろいろあげていますが、それでもあまり食べてくれず、ドライフードをあげてしまうことが多いです。

ラベルを見れば、総合栄養食と一般食があり、総合栄養食はそのフードと水だけで栄養が十分足りるフードであり、一般食は総合栄養食と共に与えてくださいというフードです。ドライフードと併用するのなら、一般食で問題ないです。


犬飼家では、1日3回ウェットフードを、その合間に2回ドライフードをあげてます。もともとネズミなどの小動物を一日中何回も食べる動物なので、1日5.6回に分けて与えたいです。本当は毎回ウェットフードが望ましいのですが、手を抜いて、2回はドライフードを与えています。

嘔吐が多い猫は食事を1日6回に分けるだけで吐かなくなることがあります。猫の胃はネズミを食べるのに、ちょうど良い大きさの胃ということなのでしょう。

1日5.6回と言うと、大変に思えますが、起きて一回、出かける前に一回、夕方帰宅して一回、食事時に一回、寝る前に一回で十分です。お昼にもう一回あげることができれば、最高です。

犬は1日2回の食事で十分なので、ペットショップで買った猫は1日2回と指導されていることがあります。

水は1日2回替えれば十分です。

自動給餌器はドライフードしか使えないものの、長時間人が不在になる家庭ではべんりです。給餌器のグラム数が当てにならないことがあり、どんどん体重が増えていく!ということもあります。


うちのカンナちゃんは食いしん坊です。はるちゃんにあげたフードをよこどりします。困ったものです。

人の食べているものを猫にもあげてよいのかと、聞かれる事があります。タマネギ、ネギ、ニラ、ニンニクなどはだめでしょうが、お刺身、焼き肉あたりなら少しくらいと、思う人もいるでしょう。

うちのカンナちゃんのような猫は人の食べるものはあげない方が良いでしょう。うるさくて人が食事できなくなります。食卓に何も置けなくなります。

あまり食べてくれないはるちゃんにはいろいろ食べさせています。パンとか生クリームがお気に入りのようです。

将来、病気で食欲がなくなった時のために、肉や魚などいろいろ与えておくのはよいことです。生の肉は寄生虫の危険があるのでだめです。

猫がテーブルの上に乗って困りますと、相談されることがあります。食事時以外はテーブルに物を置かないようにします。猫はテーブルの上に乗っても面白いものも美味しいものもないのですぐに降りてしまいます。テーブルにおいしいものが並ぶ食事時間は、猫をケージに入れておきます。犬飼家ではテーブルに乗って困ることはありません。乗っても面白いものが何もないのですぐ降りてしまいます。

テーブルに乗らない犬飼家のネコたちですが、キッチンのレンジの横の布巾が敷いてあるところには、冬になると交代で猫がいます。その下に食器洗浄器があるので温かいのです。洗った物を置くための布巾を自分たちのためのものだと勘違いしているのでしょう。


子猫の時の食事は重要です。子猫の頃に何を食べていたかで、食べ物の嗜好が決まるからです。はるちゃんは牛舎でドライフードを食べて育ったので、ウェットフードを食べてくれません。牛乳は少し飲みます。生後3週から7週までは何でも受け入れる時期と言われています。その時期にいろんな物を食べさせておくのは良いことです。

猫にはウエットフードよりドライフードの方がおいしく感じることが多いようなので、ドライフードを好んだとしても、ウェットフードばかり与えたほうがよいです。

成猫になってから食事を変えようとしてもなかなか食べてくれません。子猫の時の食事が重要なのです。

猫は今まで食べていたフードを急に食べなくなることがあります。猫の習性なので元気があればほっておいてよいです。本当にお腹が空いたら食べます。食べないからと違うフードをあげると、食べないともっとおいしいフードがもらえると学習します。

もともと病気の猫の場合は、食べなければ別の食事にとローテーションすることでうまく食べてくれます。


食器についてです。うちの猫たちの食器は、陶器を使っています。人が使っている食器で余っているものを使ってもよいのですが、いろんな猫用の食器が売られているので、食器を選ぶのも楽しいです。プラスチックの食器はアレルギーの原因になるので避けるようにします。ステンレスやガラスのものでもよいのですが、陶器だとかわいいものが多くあります。猫は食器にヒゲが当たるのを嫌がるので、やや広めの食器がよいです。また、少し高さのある食器の方がべやすいようです。特に足腰の弱ってきた老猫では、そんな気配りも必要です。

水の食器はこぼれないよう安定した物がよいです。猫はあまり水を飲もうとしないので健康のために、水は何ヵ所かに置いておき、いつでも飲めるようにします。猫によって水の好みもあり、冷たい水が好きだったり、ミネラルウォーターが好きだったり。猫に合わせるしかありません。

循環式の流れる水飲み場も各種類が安く売っています。うちの猫たちも好んでいます。流れる水を見ていると、何となく飲んでみようかと言う気分になるのでしょうか。


子猫を飼い始める時、生後2ヶ月くらいの場合が多いと思います。離乳が終わりフードだけでよくなる時期です。ペットショップで売られる時期です。

できれば、今まで何を食べていたかを聞いておき、急に変えないようにします。子猫と言えばミルクですが離乳後はだんだん乳糖の分解ができなくなり下痢をしやすくなるので、ミルクはやめます。

環境も変わるので、下痢をしないように、食事は少し少なめから始めて、だんだんと増やしていきます。

食事はドライフードをお湯でふやかすかウエットフードに少し水分を足して与えます。ドライフードをお湯でふやかすのは案外時間がかかるので、ウエットフードをおすすめします。ビルズのi/dは月齢と体重の与える量の目安がパッケージに書いてあるので使いやすいです。子猫は体重の割にはたくさん食べるので、子猫だからと食事量が少な過ぎる場合もあります。成猫以上に食べてよいのです。下痢をしていなければ、徐々に食事量を増やしていきます。体重は1週間に50から100gずつ増えていきます。

1日6回与え、食べ終わったら、食器はすぐ片付けるようにします。

人の食べている物、魚とか肉などあげてもよいのですが、味を覚えると人が食事をするのが大変になります。犬飼家ではカンナとサクラコには人の食べ物の味を覚えさせるな!が合言葉になっています。


チュールなどのおやつは与えないようにして、爪切りなどの時ご褒美として与えます。


子猫は下痢をすると、お腹が空いて、たくさん食べて、下痢が治らないことがあります。また、食欲がないとかなり重症と言えます。子猫の下痢のもっとも多い原因は寄生虫です。

たくさん食べて下痢が治らない子猫は食事制限をしますが、食事制限を長い期間続けると、何でも食べたがる猫になってしまいます。下痢を早く治し、その後もお腹に優しく下痢をしづらい食事を与えます。


子猫は何にでも興味を持ちます。猫じゃらしやボールでたくさん遊んでください。手や足に飛びかかりますが、噛み付かれないようにして、噛み付かれる前に、他のおもちゃで遊んであげてください。手や足に咬みつかれて、怒るのは逆効果で子猫は余計に興奮してしまいます。あまりにうるさい時はケージに入れておきます。人の手足に咬みつくのは、それが楽しいと思っているからで、手足に咬みつく習慣をつけなければよいのです。子猫の頃は手足に咬みついても痛くないのでついつい許してしまうのですが、成猫になると、痛いし怪我もするので、手足に咬みつく習慣を作らないことが大切です。猫の遊びは狩の練習でもあります。人の手足が狩の対象となってはいけないのです。どんなに大騒ぎの子猫も2歳くらいになったら落ち着きます。しばらくの我慢です。


子猫を飼い始めて、心配するは、どうやってトイレのしつけをしようか、ではないでしょうか。猫のトイレのしつけは簡単であり、むずかしいものです。

新しい環境に来た子猫は、トイレに行きたくなった時、自分の周りを見渡します。そして、トイレっぽいところで排泄します。狭いケージの中で寝る場所と食事の場所とトイレしかなければ、子猫は必ずトイレで排泄します。そして、繰り返して排泄しているうちに、そこがトイレと認識します。

ところがいきなり広い部屋で、トイレに行きたくなった時、周りにトイレがなければ、自分の周りでトイレっぽいところを見つけます。それが繰り返されると、トイレを間違って覚えてしまいます。一度間違って覚えるともう一度狭いところで覚え直す必要があります。

最初が重要ということです。


それぞれの猫の好みの問題ではあるのですが、一般的には、猫はどんなトイレを好むのかをお話しします。

まずトイレの場所ですが、うるさい場所はいやです。テレビの横とか洗濯機の横では落ち着きません。また、玄関などで冬にすごく寒くなる場所は避けていただきたいです。また、暗くて見える猫の目ですが、明かりのない真っ暗では何も見ることができません。夜、トイレの場所が真っ暗になっていないか注意してください。

トイレの大きさは、大きいほどよいです。体長の1.5倍以上あるとよいです。屋根はない方が好む猫が多いです。砂の材質は細かい鉱物性のものがよく、厚く敷き詰めてあるのを好みます。

排泄物は頻繁に取るようにして、一週間に一回は、砂をすべて替え、クエン酸や中性洗剤を使ってトイレを洗います。猫の排泄物の汚れはアルカリ性なので、重曹やセスキでは落ちづらいです。

最近よく見かける、一週間に一度受け皿のシートを替える、システムトイレですが、猫は好まないことが多いようです。

トイレの数は猫の数プラス1が理想と言われています。猫はきれいなトイレが好きなのです。


子猫に限らず、不適切な排泄については、よく相談されます。

猫がトイレ以外で排泄する場合、考えることは2つです。まず、今のトイレの何かが猫にとって気に入らないのかもしれません。トイレの場所が落ち着かない場所であったり、他の猫が排泄した後はいやだったり、トイレの砂の材質が気に入らないということもあるでしょう。

考えることの2つめは、排泄をどこでしているかです。板の間やフローリングであれば、猫もどこでしたらよいのか困ってしているのでしょうから、きれいに掃除し匂いをとるようにします。排泄の場所が布団、座布団、服の上であれば、やめさせるのは無理です。尿をみるみる吸い取ってくれるので、気持ちいいからです。猫を布団の部屋に入れない、座布団はしまっておく、服は脱いだらすぐ片付けるようにします。

ケージのような狭いところでトイレを覚え直し、徐々にケージから出す時間を長くしていきます。


猫が吐いている時、まず疑うのが、異物による腸閉塞と中毒です。異物として多いのは、ヒモ状の異物です。毛糸、裁縫で使う糸などです。軽い気持ちで舐めているうちに、猫のざらざらの舌によって、思わぬ量を摂取してしまうのでしょう。先に縫い針がついていると、針まで呑み込むことになります。髪を縛るゴム紐も呑み込みます。

ネズミのおもちゃも危険です。周りの毛はウサギの毛でできていますが、中はプラスチックということが多いです。猫は躊躇なく食べてしまいます。

どういうわけか、床に敷くプレイマットをかじって、食べてしまうことが多いです。本当に多いのでプレイマットを敷いている家庭では注意が必要です。

中毒の原因としては、観葉植物と仏壇の花があります。毒性のあるものが多いので、植物のある部屋には猫を入れないようにします。犬飼家では植物はすべて玄関に置き、猫は玄関に行けないようにしています。

ネギ、タマネギは猫が食べることはないですが、ハンバーグ、すき焼きなど料理になっているものを食べてしまう事があります。貧血を起こします。

人の薬で中毒を起こすことがあります。人の風邪薬に入っているアセトアミノフェンは猫では少量で中毒をおこします。猫が風邪をひいているから人の薬を少しだけならと、事故が起きます。サプリメントでもαリポ酸のように猫に毒性のあるものもあります。人と猫では代謝が異なるのです。

外に出る猫は除草剤、殺虫剤なども危険ですが、殺鼠剤も要注意です。殺鼠剤を食べたネズミは、元気がなくなり、簡単に猫に捕まって食べられてしまいます。するとネズミを食べた猫が中毒になるのです。おそろしい食物連鎖です。



子猫を飼い始める時、準備するものとしては、食器、フード、トイレ、爪とぎ、ベッドと、いうところでしょうか。ぜひ、3段ゲージも加えてください。

外出中や夜間に子猫をゲージに入れておくことで、思わぬ事故などを防ぐことができます。

最初は一段か二段のゲージにしておき、猫が成長したら3段にするのも可能です。

子猫の場合、ゲージの隙間から出てきてしまうことがあるので隙間が大きすぎるようなら補強が必要となります。

一段目はトイレ、二段目は食器、三段目は寝るところになります。猫は広いところより、高いところで安心するので、三段ゲージは猫にとって望ましいのです。

犬飼家ではサクラコちゃんが人なの食事時と夜間にゲージに入っていますが、いつも食事はゲージの中なので、フードを見せると、喜んでゲージに入ります。


犬飼家の居間には、4匹の猫がいます。サクラコが他の猫に飛びかかっては怒られたり、たまにカンナがはるちゃんに意地悪をする以外は、まあまあ仲良く暮らしています。猫は

数が多くなるほどトラブルが起きるので、できれば、2匹か3匹くらいの生活がよいのでしょう。犬とは違い、猫同士仲良くやっていこうという気持ちが、今一つ無いようです。仲が悪くなると、自然に仲直りするよりは、エスカレートすることが多いです。まず仲の悪くなった猫同士を隔離します。時間が経てばまた仲良くできることが多いです。トイレは猫の数プラス1が望ましいと言われています。他の猫が使った後のトイレを嫌がることが多いので、トイレはいつも清潔になっているよう心がけます。

猫は静かなので、多頭飼いになりかちですが、猫はもともと単独で狩りをする動物であり、猫の最大のストレスは、気に入らない同居猫なのです。


猫の予防注射で一般的なものは、ヘルペス、カリシ、パルボの三種ワクチンです。ヘルペスとカリシは風邪のウイルスであり、パルボウイルスは致死的な胃腸炎を起こします。

それ以外では、猫白血病ウイルス、クラミジアが入ったワクチンがあります。室内飼いで繁殖をしていなければ三種ワクチンで十分です。

以前は毎年の予防注射が普通でしたが、予防注射も体にとっては異物なので、体内に入れ過ぎない方が良いと言われ出し、最近は3年に1回くらいがよいとされています。

子猫の頃は一ヶ月毎に2.3回打ち、翌年もう一回打ち、その後は3年毎に打ちます。しかし、ホテルに預けたり、新しい猫が入る時などは、一年以内に予防注射をしていなければ、打つようにします。


平衡感覚がすぐれている猫ですが、車に乗ると吐くという猫もいます。車に酔うというより、ストレスで吐くのでしょう。少しの距離から慣れさせていきます。車に乗るたびに吐く猫や長時間の移動では精神安定剤を使うこともあります。移動の直前は食事を取らないようにします。ゲージは必ずシートベルトで固定して、急ブレーキでも大丈夫にします。

災害時の避難もスムーズにできるよう、ゲージに入ったり、車に乗る練習しておくことは、大切です。


 猫を飼っていると、爪切りが一つのイベントではないでしょうか。

爪が伸びてくると、タオルや絨毯にひっかけやすくなり、猫同士傷つけてしまうこともあります。また、爪を研ぐので家具がきずつきます。爪が伸びすぎれば肉球に刺さってしまうことさえあります。特に、スコティッシュフォールドは爪が引っ込まず、頻繁な爪切りが必要です。

爪には血管と神経があるので切り過ぎると、痛いし出血します。寝ている時に1本ずつ切ったり、チュールなどのおやつを食べている間に切ったりします。こつは猫の手を強く握り過ぎないことです。