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おとなしい猫に育てるために

更新日:2023年12月21日

動物には社会化期という時期があります。なんでも受け入れることができる時期です。犬であれば3週齢から16週齢まで、猫は2週齢から7週齢までです。この時期に人と接していれば、その後も抵抗なく人と接することができますし、社会化期に人と接していなければ人と仲良くするのは難しいでしょう。

猫をもらうにしても、ペットショップで購入するにしても、ほとんどの場合社会化期の終わった、2カ月齢以降のため、飼い始めた時には人とどのくらい仲良くなれるかが決まっていると言えます。

しかし、それでも猫への接し方によって、少しでもおとなしい猫に育てることはできます。大切なのは愛情をもって猫と接するということです。

最初が大切です。飼い始めた子猫の頃から手に咬みつかせないようにすることです。気を付けていれば咬みつかれないようにすることは、それほど大変ではありません。子猫の遊びは狩りの練習でもあります。中には、手袋をして子猫に手を咬みつかせる人がいますが、人の手に咬みつく練習をしているようなものです。子猫のうちは咬みつかれてもそれほど痛くありませんが、成猫になってからも咬まれると、かなり痛いです。手に咬みついてくるのは、癖みたいなものなので、人の手に咬みつく習慣をつけないということが、一番です。

いろんなひとに慣れるのも大切です。家に来る人にフードやおやつをあげてもらいます。玄関のベルをピンポーン!と鳴らしてもらい、フードやおやつを与えます。猫は家に来るお客さんやピン玄関のベルが好きになります。玄関のベルの音を怖がる場合は、あらかじめピンポーン!を録音しておき、小さい音のピンポーン!を聞かせてフードやおやつを与えるところから始めて、徐々に音を大きくしていきます。また、病院に頻繁に連れて行くようにします。車に乗ることにも知らない所に行くのにも慣れます。

どうしていろいろなものに慣れさせる必要があるかと言えば、何かのアクシデントで外に飛び出してしまった時、災害で非難する時、飼い主さんに何かあり他の人にお願いする時、そのような不測の事態になった時、猫がストレスなく過ごせるのか、あるいはパニックになってしまうのかは、猫の育て方によるのです。

人の手や足に咬みつかないように、猫じゃらしなどのおもちゃで遊び、ストレス発散は良い方法です。注意することがいくつかあります。おもちゃは誤食の原因になることがあります。ひも状のものは要注意です。腸閉塞をおこします。ひも状のおもちゃは、遊び終わったら必ず片付けます。猫だけで遊ばせないようにして、必ず人が一緒に遊びます。ひも状異物を飲み込んでしまったら、すぐに病院に行きます。中には、

食べれば何とかなるかと思ってその後フードを食べさせてしまう人がいますが、それはNGです。

猫が大好きなネズミのおもちゃですが、ちょうど食べやすい大きさの物は注意です。周りの皮はウサギの皮のことが多いので大丈夫なのですが、その中にはプラスチックが入っています。それが腸閉塞の原因になります。異物を食べてしまう猫は繰り返すことが多いです。要注意です。

猫じゃらしなどのおもちゃで遊んでいる時、たまたま猫の歯が人の手に当たってしまうことがあります。そうした時は、すぐ遊びをやめます。相手にしません。そうして猫は人に歯を立てたらだめだということを、身をもって知るのです。遊んでいるうちに、たとえ猫が興奮しすぎてしまい人の手を咬んでしまっても、猫を怒ってはいけません。猫は相手にしてもらっていると思い、ますます興奮して人の手に咬みつきます。咬みついても怒らない。遊びをやめる。無視をする。できるだけ猫じゃらしなどで遊んであげると、繰り返してるうちに人に咬みつくより猫じゃらしなどのおもちゃの方が楽しいことに猫も気づきます。

いろんなひとに慣れるのも大切です。家に来る人にフードやおやつをあげてもらいます。玄関のベルをピンポーン!と鳴らしてもらい、フードやおやつを与えます。猫は家に来るお客さんやピン玄関のベルが好きになります。玄関のベルの音を怖がる場合は、あらかじめピンポーン!を録音しておき、小さい音のピンポーン!を聞かせてフードやおやつを与えるところから始めて、徐々に音を大きくしていきます。また、病院に頻繁に連れて行くようにします。車に乗ることにも知らない所に行くのにも慣れます。

どうしていろいろなものに慣れさせる必要があるかと言えば、何かのアクシデントで外に飛び出してしまった時、災害で非難する時、飼い主さんに何かあり他の人にお願いする時、そのような不測の事態になった時、猫がストレスなく過ごせるのか、あるいはパニックになってしまうのかは、猫の育て方によるのです。


猫には食べるのが大好きな猫と食べることにそれほど興味を持たない猫がいます。食べる猫は、テーブルに食べ物を置いておけません。注意しないとすぐ太ってしまいます。しかし食べる猫は、フードに混ぜればよいので投薬が楽です。食べ物を使って玄関のベルに馴れさせるように、良いことをした時にフードやおやつを与えることで、いろいろなことに馴らしたり、いろいろ教えることができます。病気になった時に食事の変更もしやすいです。

食べない猫は、食べ物をテーブルに置いてあってもいたずらをしないし、ごみ箱を荒らされる心配をしなくて済みます。何を食べてくれるかと悩むこともありますが、ホームセンターの売り場で、これなら食べてくれるかもとフードを選ぶのも、猫を飼う楽しみの1つでもあります。


猫が人に咬みつくのは、多くは遊びの行動がエスカレートして、過剰に攻撃するようになるものです。人に咬みつく他の原因としては、猫が恐怖を感じた時にする攻撃があります。猫にとって恐怖を感じる人が現れると、怖い怖いあっち行けと、フーっと怒ります。それでもその人が近づいてくると、怖くて怖くて攻撃してしまいます。

対策としては、優しく優しく接することです。怖がらせないようにします。いきなり近づいてはいけません。ゆっくゆっくり怖がらせない距離を保ちながら、ゆっくり距離を縮めていきます。


猫が手や足に飛びかかってきても無視します。相手になったり、怒ったりすると猫の攻撃はエスカレートします。無視すると言っても、咬みついたり爪を立てたりと痛いです。爪を切っておくことをお勧めします。できれば爪を切る時は3人いれば楽です。爪を切る人、猫をおさえる人、猫の気をそらす人です。切りすぎると出血して痛いので、切りすぎ注意です。猫は足先を強く握られるのを嫌うので力を入れすぎないようにします。一人が首の後ろとひじのあたりをおさえるか、両前肢と両後肢おさえます。できるだけ自分の体に密着させて、猫を点でなく面でおさえるように意識します。猫の気をそらすため、チュールを与えます。少しずつ。チュールは体に良くないですが、このような時は役に立ちます。チュールを好まない猫は頭をなでたりして気をそらせます。


1匹飼いの猫ですぐ怒る猫の場合、もう1匹子猫を飼うことでおとなしい猫になることが多いです。猫は退屈で人に遊んでほしくて攻撃的になることが多いので、もう1匹飼うことで、遊び相手ができ、人へ攻撃しなくなります。また、猫同士遊ぶことで、手加減するということを覚えるのでしょう。飼っている猫がまだ子猫であればもう1匹も子猫を飼い始めればうまくいくことが多いです。猫同士どうしてもうまくいかない場合もあります。もし仲良くなれなければ、別々の部屋で飼うしかありません。猫とはそんな動物なのです。


猫の祖先は、リビアヤマネコです。実はヤマネコの中でもリビアヤマネコが一番人に慣れやすいのです。そして猫の中にも人に慣れやすい猫と慣れにくい猫が、持って生まれた性質としてあるようです。日本の猫は洋猫に比べてやや臆病でおとなしく人に甘えます。見た目は洋猫も素敵ですが、日本の猫の方が、飛鳥時代から日本人と暮らしているだけあって、日本人に合っているように思います。


おとなしい猫と聞いて持つイメージは歯磨きではないでしょうか。液体歯磨き、食べると歯垢が落ちるフード、歯を磨くガーゼなどデンタル製品はたくさんありますが、歯の根元の歯垢をかき出せるのは歯ブラシによる歯磨きのみなのです。歯磨きのコツは嫌がる猫に無理にしないということです。歯ブラシで口唇をタッチしておやつを与えるというところから始めます。ゆっくり歯磨きに馴らしていくのです。



猫がおとなしくなるフードなんてものがあります。ロイヤルカナンのCLT、ヒルズのコンフォートなどで、病院で購入できます。もちろん、あやしいフードではありません。もともとは膀胱炎予防のフードであり、ストレスからくる膀胱炎を予防するために、心が穏やかになることにより、ストレスをあまり感じなくなり膀胱炎を予防できるというフードなのですが、心穏やかになるため、きかない猫もおとなしくなるというわけです。薬ではないので副作用もなく安心して使えます。


さて、昨年犬飼家にサクラコちゃんがやってきました。生後3カ月齢で、かわいい猫なのですが、人の手や足にやたら咬みついてくるのです。飼い主さんにきかない子猫について聞かれると、咬みつかれないようにして、うるさい時はケージに入れて、怒らないで優しく育てたら大丈夫ですと答えているのですが、本当におとなしくなるのかと心配になるほどに手や足に咬みついてきました。

咬みついてくる前に猫じゃらしでできるだけ遊ぶようにし、それ以外に時間は3段ゲージに入れました。食事は3段ゲージ内でのみ与えているので、ご飯だよと言えば、喜んでゲージに自分から入ります。そしてゲージから出した時は、咬みつく前に猫じゃらしでたくさん遊んであげます。

また、大人の猫に飛びかかっては、逆に怒られていたので、社会のルールを覚えたのでしょう。人が怒っても猫はきかなくなるだけですが、猫同士で生活しじゃれついては怒られることで、しつけができるのです。

あとは、猫が何をしても怒らないことです。咬みついても知らないふりをする。テーブルに乗っても怒らない。人が食事をする時などは3段ゲージに入れます。

1年経った今、サクラコが人の手や足に咬みつくことはなくなりました。「おとなしい猫に育てる方法」は、正しかったです。








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